この夏、ワールドシリーズオブポーカー(WSOP)で大きな物議を醸した2人のプレイヤーが、今度はヨーロピアンポーカーツアー(EPT)バルセロナ・メインイベントに姿を現した。禁止処分を受けたジェシー・ヤギヌマとジェームズ・キャロルが、Day1bで同じテーブルに座り、わずか2席を挟んで再会した。
WSOPで起きた騒動の経緯
6月に行われたWSOPイベント#53 $1,500ミリオネメーカーで、ヤギヌマとキャロルはヘッズアップに進出。キャロルは9対1の大差でチップリードを握っていたが、その後の展開で意図的なチップダンピングが行われたと認定された。
背景には、ヤギヌマが優勝すれば外部プロモーションから100万ドルのボーナスを獲得できるという事情があった。最終的にヤギヌマは優勝者として発表されたが、WSOPはタイトルを剥奪し、ブレスレットを授与せず。両者はシリーズから追放処分を受けた。
賞金は分配され、ヤギヌマとキャロルはそれぞれ1,133,750ドルを手にした。ボーナスについてはヤギヌマに支払われたものの、詳細は明かされていない。事件が決着した6月25日以降、両者は公にコメントを出していない。
バルセロナでの静かな再会
騒動以降、2人のトーナメント実績はほとんど途絶えている。ヤギヌマは今月フロリダで2,200ドルのキャッシュを記録したが、キャロルは沈黙を保ってきた。
そんな2人が再び同じテーブルで顔を合わせたことは、現地でも注目を集めた。Day1bには250名以上が参加したが、偶然にも2人は隣り合う席に着席。現場レポートによれば、両者に特別なやり取りは見られず、周囲のプレイヤーも事件について触れる様子はなかった。
キャロルは順調にスタートし、30,000点のスタックをわずか数レベルで100,000点以上に増やした。ヤギヌマもスタートスタックを上回り、およそ40,000点で推移していた。
大会の盛り上がり
EPTバルセロナは毎年屈指の人気を誇るイベント。Day1aには715人が出場し、221人がDay2へ進出。Day1bはレベル10終了まで行われ、その勝ち残りは火曜日から再開する。
ヤギヌマとキャロルの「再会」は、今大会のサイドストーリーとして注目を集めるだけでなく、今夏のWSOPで起きた前代未聞の騒動をあらためて思い起こさせる出来事となった。