レンジ・マオがWSOPEで逆転優勝 2度目のブレスレット獲得

WSOPヨーロッパのファイナルテーブル、チップとカード、背景にキングスリゾートのロゴ

中国選手がロズヴァドフで栄冠

チェコ・ロズヴァドフのキングス・リゾートで開催された「2025 ワールドシリーズ・オブ・ポーカー・ヨーロッパ(WSOPE)」のイベント#8「€5,000 ポットリミット・オマハ」で、中国のレンジ・マオ(Renji Mao)が劇的な逆転勝利を収め、賞金€213,600と自身2本目のWSOPブレスレットを手にした。

マオは2023年ラスベガスの「$800 ノーリミット・ホールデム・ディープスタック」で初めてブレスレットを獲得しており、今回の勝利で二冠達成者の仲間入りを果たした。決勝ヘッズアップでは、長時間チップリーダーを維持していたイタリアのダリオ・アリオト(Dario Alioto)を相手に、3対1の劣勢から見事なカムバックを決めた。アリオトは惜しくも準優勝となり、賞金€138,800を獲得した。

ファイナルテーブル結果

順位選手賞金
1Renji Mao中国€213,600
2Dario Aliotoイタリア€138,800
3Grzegorz Derkowskiドイツ€92,800
4Fahredin Mustafovブルガリア€64,000
5Zdenek Zizkaチェコ€45,600
6Salih Atacスイス€33,500
7Vadim Zakharyanイスラエル€25,500
8Kumaran Sarvendranノルウェー€20,050
9Dennis Weissドイツ€16,400

トーナメントの流れ

大会2日目には31名が戻り、序盤はNikolaos Lampropoulos(31位、€10,650)らが早々に姿を消した。7度のブレスレット保持者ショーン・ディーブ(Shaun Deeb)は11位(€13,900)で敗退し、惜しくもファイナル進出を逃した。

ファイナルテーブルでは、ディフェンディングチャンピオンのデニス・ヴァイス(Dennis Weiss)が最初に脱落(9位)。その後、アリオトがリバーでフラッシュを完成させてリーダーの座を奪回した。一方マオはエース同士の勝負でリバーにストレートを完成させ、サリフ・アタク(Salih Atac、6位)を撃破。そこから連鎖的に脱落者が続き、Zdenek Zizka(5位)とMustafov(4位)はアリオトにより退場となった。

ドイツのグジェゴシュ・デルコフスキ(Grzegorz Derkowski)が3位で敗退し、アリオトが3対1のリードを持ってヘッズアップへ突入。しかしマオは連続でダブルアップを成功させ、流れを完全に引き寄せた。最後のオールイン勝負でも優位を保ち、ブレスレットを確定させた。

優勝者の声

表彰式でマオは冗談交じりに「フィル・ヘルミュースはどうやってやっているのか分からない」と語り、2本目のブレスレットを掲げた。

さらに次のように心境を明かした。

「このブレスレットには大きな意味があります。最初の勝利は大規模フィールドで運にも助けられましたが、その経験がなければ今もトーナメントを多く出ていなかったでしょう。今回は高額バイインでプロも多く、非常にタフな戦いでした。この優勝で、自分はホールデムだけでなく他のフォーマットでも戦えると証明できたと思います。」

また、決勝の戦いについても振り返った。

「ヘッズアップでは失うものはあまりなかったのでリラックスできました。より積極的に攻めることに集中しました。もし2位でも満足できると思っていたので、緊張は全くありませんでした。」

今後の挑戦

マオは「ブレスレットハンター」ではないと語るが、既に次の戦いを見据えている。現在開催中の「€10,000 ポットリミット・オマハ・ミステリーバウンティ」、そして間もなく始まるメインイベントへの出場を予定している。

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