Ren Linが謝罪「友人を助けたかっただけ」
ポーカー界で再び大きな話題が持ち上がった。
ハイローラープレイヤーのトニー・「Ren」・リン(Ren Lin)が、GGPokerのGGMillion$ファイナルテーブルで友人にリアルタイムの助言を行ったとして問題となり、WSOPサーキット・キプロスのメインイベントから失格処分を受けた。
GGPokerアンバサダーでもあるリンは、自身の行動を認め、Twitter上で正式に謝罪。
「助けたいという気持ちで行動してしまったが、それがルール違反であることに気づかなかった」とコメントした。
GGMillion$から波及、WSOPキプロスで失格に
今回の問題は、バイイン1万300ドルのオンライン大会「GGMillion$」で発生。リンは最終的に優勝したプレイヤー「RealOA」に助言を行ったとされている。RealOAは約30万ドルを獲得したが、リンはその後、WSOPサーキット・キプロスのメインイベントDay 2で失格処分を受けた。
オンラインでの違反行為がライブトーナメントにまで影響するという異例の対応に、SNS上では「処分が厳しすぎる」「当然の結果」と賛否が分かれ、議論が過熱した。
「数分間の出来事だった」
リンは自身の声明で、事件の詳細を説明している。
キプロスでのライブトーナメント中、休憩時間にTencent Meetingの通話に参加し、そこで「RealOA」がGGMillion$のファイナルテーブルをプレーしていたという。
「彼がハンドの相談をしてきたので、反射的に意見を伝えてしまった。全て数分のやり取りだった」と振り返った。
また、「その時は違反だと気づかず、いつものように友人同士でハンドを語り合う感覚だった」と釈明。金銭的な利害関係は一切なく、「ステーキングも報酬も受け取っていない」と強調した。
リンはまずGGMillion$の3位「Buzzcut」に謝罪し、その後に公開声明を出した。
賞金を返還、責任を取る姿勢
リンによると、「RealOA」はすでに賞金の大部分を返還し、残りは自身が負担してGGPokerに送金したという。
「自分が掲げてきたプロ意識に反する行動を取ってしまい、深く反省している。すべての処分を受け入れるつもりだ」と述べた。
ネグラヌが擁護「彼は誠実に向き合っている」
GGPokerアンバサダーのダニエル・ネグラヌ(Daniel Negreanu)は、この件に関してリンを擁護するコメントを発表。彼の誠実さと対応を評価した。
「Renとは何年も一緒に仕事をしてきた。彼のポーカーへの情熱と人柄をよく知っている。今回は友人を助けようとしての行動だったが、しっかりと責任を取っている。彼の謝罪は真摯で、行動も正しいと思う」と述べた。
境界線を問うポーカー界の議論
今回の一件は、オンラインとライブの垣根が曖昧になりつつある現代ポーカーの「倫理的な境界線」を浮き彫りにした。
ボイスチャットや配信が一般化する中で、「友人へのアドバイス」と「リアルタイムの助言」の違いは、ますます曖昧になっている。
リンにとっては痛い教訓となったが、この事件はポーカー界全体にも警鐘を鳴らすものとなった。
今の時代、わずか数分の通話が、プロプレイヤーとしてのキャリアを大きく左右することもある。







