アジアン・ポーカーツアー(Asian Poker Tour, APT)が、いまやアジアだけのシリーズではなくなっている。2025年シーズンはすでに45カ国以上からプレイヤーが参加し、仁川、済州、台北といった各地の会場が満席状態に。APTは地域トーナメントから、世界中のプレイヤーが注目するグローバルブランドへと進化を遂げつつある。
台北チャンピオンシップがシリーズ史上最大規模に
注目のAPTチャンピオンシップ台北は、11月14日から30日まで開催予定。200本以上のトーナメントとサテライトが用意され、シリーズ全体で870万ドル超の保証賞金が設定されている。その中でもメインイベントは保証500万ドルに設定されており、APT史上最大規模のフェスティバルとなる予定だ。
数千人規模のプレイヤーが世界各地から集結し、APTタイトルを懸けた戦いを繰り広げることになるだろう。レクリエーショナルからプロまで、誰もが見逃せない2週間となりそうだ。
APT成長の原動力とは
APTの急成長の背景には、堅実な運営と明確な戦略がある。まず、プレイヤー体験の質を最優先に据え、ディープな構成とテンポの良い進行を維持。さらに、ホスピタリティにも力を入れ、参加者が快適に過ごせる環境を整えている。
デジタル面でもAPTは積極的だ。ライブ配信や大会レポート、ブログ更新など、オンライン発信を通じて国際的な認知度を高めてきた。また、パートナーであるNatural8によるオンラインサテライトの普及が、海外プレイヤーの参加を後押ししている。
2023年のAPT仁川では国際プレイヤーが206名だったのに対し、2025年には297名と44%増加。APTのグローバル化が確実に進んでいることがわかる。
女性プレイヤーの活躍が顕著に
APTでは女性プレイヤーの参加も急増している。2025年のAPT仁川では、女性専用イベントが8本開催され、合計447エントリーを記録。そのうちウィメンズ・メインイベントには76名が参加した。数年前では考えられなかった数字だ。
オープンイベントに出場する女性も増加しており、2023年の仁川大会では110名だったのが、2025年には231名に倍増。APTが進めるインクルーシブな取り組みが確実に実を結んでいる。
女性イベントがほぼ毎日開催
今シーズンのAPTチャンピオンシップ台北では、期間中ほぼ毎日女性向けイベントが組まれている。中でも注目は、約1,200ドルのバイインで行われるウィメンズ・チャンピオンシップ。エントリーしやすいミニトーナメントからメイン級タイトルまで、APTは女性プレイヤーがあらゆるレベルで競える環境を整えている。
質を維持しながら拡大を続けるAPT
APTの成長は単なる規模の拡大ではなく、質と持続性を伴っている。大規模フェスティバルを開催しながらも、運営の丁寧さやスムーズな進行は健在。ディープストラクチャーや幅広いバイイン設定により、初心者からトッププロまで幅広く楽しめる構成となっている。さらに、オマハなどの非ホールデム種目もシリーズの定番として定着している。
世界基準のポーカーツアーへ
APTチャンピオンシップ2025は、ツアーの節目となる大会だ。記録的な賞金、バラエティ豊かなスケジュール、女性イベントの充実など、現代ポーカーが目指す多様性と国際性を体現している。
この勢いが続けば、APTはアジアを代表するツアーにとどまらず、世界のトップクラスと肩を並べる存在になるだろう。







