Zデネク・ジジカ Zdenek Zizka が BSOP 10万ドル・スーパー ハイローラー メインイベント制覇

静かに存在感を示した新星

BSOP Super High Roller Series の R$500,000 メインイベント決勝では、目立っていたのは常に声が響いていたマルティン・カブレルだった。しかし実際に舞台の中心へ歩み出たのは、ほとんど言葉を発さなかった Zデネク・ジジカだった。表情を崩さず、必要以上に語ることもなく、ひたすらカードと判断だけで勝負を作り上げた。

36 エントリーの強豪揃いのフィールドで、ジジカは淡々とプレーを積み重ね、最後に R$6,000,000 を手にした。自身最大の賞金であり、今年の躍進を象徴する結果となった。

勢いを保ったまま頂点へ

ヘッズアップの相手は地元ブラジルの人気プレイヤー、フェリペ・ボイアノフスキー。少し前に 50K サイドイベントでも優勝しており存在感は十分だったが、ジジカは動じなかった。優勝直後のインタビューで「To be honest, I completely don’t know what it means yet.」と語り、「It just means like another great piece from another new country, and it will definitely mean a lot.」と心境を続けた。

ジジカは元々バックギャモンの世界で名を知られた存在で、若くして頭角を現し、グランドマスターに到達。2022年には世界選手権準優勝となり、戦略書『The Zizka Method』も執筆している。ポーカーへ本格的に取り組み始めたのはごく最近で、記録上の初キャッシュはわずか2年前のこと。2025 年以前の最高賞金は 2 万ドル未満だった。

しかし今年は流れが一気に変わった。WSOP では 1,000ドル ノーリミットホールデムでショーン・ディーブを下し初ブレスレットを獲得。WSOP Europe でも 3 度のファイナルテーブルに進出し、今年の獲得賞金はすでに 100 万ドルを超えていた。今回の優勝はそれらと並ぶ大きな成果で、キャリア全体を一段引き上げる結果となった。彼は「To be honest, I have no idea. I always just try to do my best and that’s all the game.」「I like the game since I was a little kid, so I just enjoy playing everything.」と謙虚な姿勢を貫いた。

決勝の流れ

最初に姿を消したのはガブリエル・タバレス。クイーンズでカブレルのキングスにぶつかり敗退した。続いてオットマー・ラドヴァがジャックスで勝負に出たものの、ジジカがフロップでスリーカードを完成させ脱落となった。

4 人に減ってからは卓上の主導権がはっきりしてきた。ジジカとボイアノフスキーがポットを掌握し、レナン・ブルシとカブレルは慎重に機会を伺う展開。ジジカはサードペアでのリバーコールを成功させ、さらに別のハンドで再びスリーカードを作り差を広げた。

場内が最も沸いたのはカブレルのオールインだった。ナインのペアで勝負に出てフロップでスリーカードを引き当てた瞬間は盛り上がったが、ターンでジャックが落ち流れが一変し、4 位での退場となった。

3 人に入ると動きがさらに激しくなった。ブルシは二人から連続でダブルアップ。ボイアノフスキーはストレートで大きなポットを獲得。そして三者のオールインで勝負が決まる。ジジカのセブンのポケットペアが耐え、ボイアノフスキーのナインを逆転。ブルシはここで敗退した。

最後の勝負

ヘッズアップは僅差でボイアノフスキーが上回ってスタートしたが、ジジカはすぐに流れを取り戻した。相手のドロー失敗を見抜いたコールから主導権を握り、その後もペースを崩さずに押し続けた。決定的なハンドは、ボイアノフスキーの A9 に対しジジカの TT が耐えた場面。ボードはそのまま流れ、タイトルが確定した。

カブレルが真っ先に握手へ向かい、ジジカの勝利を称えた。ジジカ本人にとってブラジルは初めての訪問だったが、来年も戻ってきてタイトル防衛に挑むつもりだという。

ファイナルテーブル結果