ポーカーホール・オブ・フェイマーのDaniel Negreanuは、Redditのr/pokerで開催されたAMA(Ask Me Anything)に参加し、世界ポーカーシリーズ(WSOP)から人工知能の影響、物議を醸す「Big Beautiful Bill法案」、さらには音楽ビデオ出演まで幅広い話題に答えた。
Game of GoldからWSOP戦略へ
人気番組『Game of Gold』の続編について質問された際、Negreanuは悲観的な見解を示した。「残念ながら実現しないと思う。ただ、未来のことはわからないけどね。あの番組は素晴らしかったと思う。」
初心者へのアドバイスとして、理論と直感のバランスを重視すべきだと語った。「世界最高のプレイヤーは理論を理解しているが、理論に縛られてはいない。」
さらにオンラインポーカーにおけるAIの台頭についても触れ、「これはイタチごっこになる。AIはプレイヤーにとって武器となるが、運営側もAIを駆使して不正を見抜けるようになるはずだ」と語った。
ライブトーナメントに関しては、WSOPでの遅延行為を厳しく批判。「5,000ドル以上のバイインのトーナメントには全てショットクロックを導入すべきだ」と強調した。
技術的格差が縮まった現代でも、実力があれば十分稼げるとしつつ、「昔は並レベルでも勝てたが、今のカジュアルプレイヤーは昔よりはるかに強い」と分析した。
また、年齢については「40〜45歳がピークと言われてきたが、51歳の今がこれまでで最も強く、鋭い」と語り、年齢が限界ではないことを示した。
政治とBig Beautiful Bill法案
政治的な質問に対し、Negreanuは「自分は政治的ホームレスだ。今の二大政党にはどちらも共感していない」と回答した。
議論を呼んでいる「Big Beautiful Bill法案」に含まれる「ギャンブル損失の控除を90%に制限する規定」については、撤廃される可能性が高いと予測。「この規定は廃止されると思う。確率で言えば72%くらい。両党とも愚かで不公平だと考えているし、トップもそう思っていることを知っている」と述べた。
ライバル、忘れられないハンド、テーブルマナー
印象に残るハンドについて問われると、2001年WSOPメインイベントでの敗退を挙げた。チップリーダーとして残り12人に進出したものの、AK対66の勝負に敗れて11位で終了した。
最も対戦を楽しむ相手については、「やはりPhil Hellmuth。彼がポットを失ってブツブツ言うのを見るのは面白い」と語った。
一方で、過度なタンクやおしゃべりで知られるプレイヤーについては「耐え難いほど不快。もし自分が運営者なら絶対に許さない」と批判した。
テーブルを離れて
収入について問われると、「お金の管理は本当に苦手で、全く把握していない。お金は自分の動機ではなかった。若い頃から常に豊かさを信じてきた」と率直に答えた。
また、監督Joseph Kahnとの友情から映画『Detention』『Bodied』や、Katy Perryの『Waking Up in Vegas』MVに出演した経験も明かした。「彼女が自分とポーカーをするシーンなんだ」と笑った。
ユーモアと率直さを交えた今回のAMAは、Negreanuのポーカー観と、テーブル内外での人生観を改めて示すものとなった。