フランスのAlexis Nicolai、EPTバルセロナPS Openメインイベント優勝 賞金77万2,000ユーロを獲得

スペイン・バルセロナで開催されたヨーロピアン・ポーカーツアー(EPT)PS Openメインイベントには5,036エントリーが集まり、最終的にフランスのAlexis Nicolaiが頂点に立った。お守りのように被っていた「漁師帽」と共に、彼は見事に優勝を果たし、77万2,000ユーロのトップ賞金とShardトロフィーを手にした。これは彼にとってキャリア最大の勝利となる。

大会前、Nicolaiは息子にこう話していた。

「息子はいつもこの帽子を笑うんだ。『パパ、漁師みたいだよ』ってね。だから僕は言ったんだ。今回はこの帽子とトロフィーを手にして、全部勝つんだって。」

その言葉通り、彼は優勝を成し遂げた。試合後、実感がまだ湧かないと語る。

「まるで夢の中にいるようだ。たぶん明日になったら分かるだろう。あるいは帰りの車の中かもしれない。明日の朝7時半には仕事に行くんだ。父がいつも言っていたよ、仕事は仕事だって。」

ファイナルテーブル結果

順位プレイヤー国籍賞金
1Alexis Nicolaiフランス€772,000
2Mengshi Tian香港€482,290
3Ben Zechドイツ€344,560
4Chin Wei Limマレーシア€265,200
5Daniele Cuomoイタリア€203,910
6Jakub Sterbaチェコ€156,830
7Kazuhiko Yotsushika日本€120,610
8David Taiebフランス€92,770

ショートスタックからの大逆転

救急タクシー会社を経営するNicolaiは、この勝利によってキャリア獲得賞金を倍増させ、これまでの最高額である64,000ドルを大きく上回った。決勝はわずか745万チップの最短スタックでスタートし、幾度も危機に直面したが、的確なダブルアップと大胆な全下(オールイン)を繰り返し、勝利をつかみ取った。

「最初は本当にショートで、状況は悪かった。でもすぐにダブルアップできた。ショートが飛ぶのを待って、そして実際に飛んだ。その後は正直、クレイジーなハンドを開いたりもしたから楽になったんだ。ヘッズアップでは悪いスタートでいくつか落としたけど、考えを変えた。もっと彼に話しかけようと思ったんだ。そして実際そうした。『友よ、オールインだ』。何度もプッシュして、彼を狂わせたよ。」とNicolaiは振り返った。

最終日の戦い

大会最終日は13人が残ってスタート。Yakiv Syzghanov(13位)、Arthur Emig(12位)、Efrim Erdinc(11位)、Adis Zukanovic(10位)が決勝テーブルを前に敗退した。

  • 大量のチップを持って決勝を迎えたKazuhiko Yotsushikaだったが、Mengshi TianやBen Zechとの対決で流れを失い、最終的に7位で終了。
  • TianはJakub Sterbaを四つ子(クワッズ)で倒すなど勢いに乗り、場の半分近いチップを保持。優勝候補筆頭となった。
  • NicolaiはDaniele Cuomo(5位)をポケットKで撃破し、続けてChin Wei Lim(4位)も脱落させる。3人残りではBen Zechをエース7で倒し、ヘッズアップに突入した。

ヘッズアップの攻防

ヘッズアップ開始時、チップリードはMengshi Tianが有していた。彼はさらに差を広げ、ナッツストレートを見せてNicolaiをわずか2,200万チップまで追い詰める。

しかし、Nicolaiは「友よ、オールインだ」と繰り返し叫びながら粘り強く全下を繰り返し、徐々にスタックを回復。決定的な場面はA-3でA-10を逆転してダブルアップしたことだった。

最後の勝負では、Tianがポケット7でオールイン、Nicolaiはポケット9でコール。Tianはフロップでセットを作り勝利目前だったが、リバーでNicolaiがストレートを完成させ、劇的な逆転優勝を決めた。

約束を果たした瞬間

表彰写真の撮影時、Nicolaiは帽子を脱ぎ、獲得したShardトロフィーの上にそっと置いた。大会前に息子へ誓った約束を、自らの手で完全に果たしたのである。

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