ポーランド出身のブジェジンスキが夢のタイトル獲得
ポーランド出身のトマシュ・ブジェジンスキ（Tomasz Brzezinski）が、2025年のポーカースターズEPTマルタ€5,300メインイベントで見事優勝を飾った。
会場はCasino Malta。参加者数は大会史上最多となる898エントリーに達し、総賞金プールは€4,355,300。ブジェジンスキはウクライナの新鋭マイハイロ・オスタシュ（Mykhailo Ostash）との長時間にわたるヘッズアップを制し、最終的にディールを経て€631,632を獲得した。
ブジェジンスキは過去10年間マルタでスポーツベッティング業界に携わっており、今回の優勝は「地元」での悲願達成でもあった。
さらに彼は、EPT史上わずか11人目となる連続メインイベント・ファイナルテーブル進出を達成。まさにキャリアを象徴する勝利となった。
「本当にクレイジーだった」優勝直後のコメント
「本当にクレイジーな展開だった」とブジェジンスキは優勝直後に語った。
「途中で勝てないかもしれないと思った。ヘッズアップでは運があまり良くなくて、今まで6〜7回も2位で終わったことがあるんだ。何かに呪われてる気さえした。でも今回は流れが来てくれた。すごくうれしいよ。」
仕事の傍らプレーを続けてきたというブジェジンスキにとって、今回の優勝は特別な意味を持つ。
「昔はもっと真剣にプレーしてたけど、最終的に安定した仕事を選んだんだ。とはいえ今でも暇を見つけてライブポーカーを楽しんでる。正直、仕事よりもライブポーカーの方が楽しい時もあるね」と笑う。
「周りに上手い仲間が多くて、彼らから学びながら自分なりに分析してきた。その積み重ねが今回の結果につながったと思う。」
ファイナルテーブル結果
| 順位 | プレイヤー | 国籍 | 賞金 |
|---|---|---|---|
| 1 | Tomasz Brzezinski | ポーランド | €631,632* |
| 2 | Mykhailo Ostash | ウクライナ | €603,058* |
| 3 | Adria Calonge | スペイン | €339,000 |
| 4 | Aliaksei Boika | ベラルーシ | €260,750 |
| 5 | Tom-Aksel Bedell | ノルウェー | €200,550 |
| 6 | Toni Kaukua | フィンランド | €154,250 |
| 7 | Ben Heath | イギリス | €118,650 |
| 8 | Juan Pardo | スペイン | €91,250 |
| 9 | Joao Tomas | ポルトガル | €70,250 |
*ヘッズアップでディール成立元王者ボイカ、連覇ならず
過去にマルタでタイトルを獲得したアリアクサイ・ボイカ（Aliaksei Boika）は、史上5人目のEPTメインイベント2冠を目指して挑戦。しかし今回は4位で終了した。
ポケットキングでオスタシュのポケット5と対決したものの、相手がフロップでセットを作り、勝利を許した。
ノルウェーのトム＝アクセル・ベデル（Tom-Aksel Bedell）はDay 3とDay 4でチップリーダーとして好調を維持していたが、決勝では短スタックで苦しい展開。オスタシュのポケット3に敗れ、最初に姿を消した。
その後、スペインのアドリア・カロンヘ（Adria Calonge）がK5のオールインでブジェジンスキのポケット10に敗れ3位に。ここでブジェジンスキが明確なリードを持ってヘッズアップへ突入した。
壮絶なヘッズアップバトル
ヘッズアップでは両者が残り賞金を均等に分配するディールを成立させ、€603,098ずつを確定。残る€28,534とトロフィーをかけて戦いは続いた。
ブジェジンスキが積極的に攻める中、オスタシュは驚異的な粘りを見せ、何度もダブルアップに成功。まるで不死身のように生き延びた。
KJでTTに勝ち、QTでA8を下すなど、オスタシュの奇跡的な展開は続いた。途中でチップリードを奪う場面もあったが、ブジェジンスキは冷静に対応。ランナーランナーでフラッシュを完成させるなど、要所で勝負強さを見せた。
このヘッズアップは14回のオールインが発生し、そのうちオスタシュは11回もダブルアップに成功するという異例の展開に。しかし最後はブジェジンスキのAジョーカー（A♠J♣）がオスタシュのA10（A♦T♦）を上回り、すべてのチップを手にした。
輝かしい2025年シーズンの集大成
バルセロナでのファイナル進出に続き、マルタでのタイトル獲得。ブジェジンスキにとって2025年はまさにキャリアの節目となる一年だ。
「最高の年になった」とブジェジンスキは語る。「とにかく楽しむこと、集中することを意識してきた。ようやく優勝できて本当に嬉しい。」
