三段階構成と新ルール「Fearless Draft」――戦略と多様性が進化するWorlds 2025
I. 大会概要
2025年の「League of Legends World Championship(Worlds 2025)」は、10月14日から11月9日まで開催されます。
開催地は中国で、以下の3都市が舞台となります。
- 北京:Play-In(プレイイン)およびスイスステージ
- 上海:準々決勝・準決勝
- 成都:グランドファイナル(決勝戦)
今年の出場チームは全17チーム。
最大の特徴は、シリーズ内で同じチャンピオンを再選択できない新ルール
「Fearless Draft(フィアレス・ドラフト)」の全面導入です。
これにより、チーム戦略と視聴体験の両面で革新が期待されています。
II. 大会フォーマット概要
Worlds 2025は、以下の3つのステージで構成されています。
1. Play-In(プレイイン)
2. Swiss Stage(スイスステージ)
3. Knockout Stage(ノックアウトステージ)
それぞれのステージについて、詳細を順に解説します。
1. Play-In(プレイイン)
項目 | 内容 |
---|---|
出場チーム | 2チーム(LPL第4シード vs LCK第4シード) |
試合形式 | Bo5(5試合3本先取) |
ルール | Fearless Draft:シリーズ中で同一チャンピオンの再選択禁止 |
勝敗条件 | 勝者がスイスステージ進出、敗者は大会敗退 |
このプレイインは、スイスステージへの最後の1枠を決定する直接対決となります。
2. Swiss Stage(スイスステージ)
項目 | 内容 |
---|---|
出場チーム | 16チーム(プレイイン勝者を含む) |
試合数 | 最大5ラウンド(各チーム最大5試合) |
勝敗条件 | 3勝でノックアウトステージ進出、3敗で敗退 |
試合形式 | 通常戦:Bo1(1試合決着)/決定戦:Bo3(3試合2本先取) |
対戦方式 | 各ラウンドごとに戦績に基づき再抽選。再戦なし |
特徴 | Bo3試合ではFearless Draftを採用 |
スイス方式では、同成績チーム同士が対戦するため、より公平で緊張感ある戦いが展開されます。
3. Knockout Stage(ノックアウトステージ)
項目 | 内容 |
---|---|
出場チーム | 8チーム(スイスステージ勝ち抜け) |
試合形式 | シングルエリミネーション(単敗即敗退) |
試合ルール | すべてBo5(5試合3本先取)、Fearless Draft適用 |
開催地 | 準々決勝・準決勝:上海メルセデス・ベンツアリーナ決勝戦:成都 |
クラシックなトーナメント形式に戻り、各試合は戦略と適応力を競う真剣勝負となります。
III. 新制度「Fearless Draft」とは
Fearless Draft(フィアレス・ドラフト)は、2025年大会で初導入される革新的なルールです。
同一シリーズ(Bo3またはBo5)内で、同じチャンピオンを再選択することが禁止されます。
このルールにより、チームはより広いチャンピオンプールと柔軟な戦略が求められます。
同時に、試合ごとの展開に変化が生まれ、観戦する側も新鮮な体験を楽しめる構成になっています。
IV. 地域別出場枠(2025年)
地域 | 出場枠 | 備考 |
---|---|---|
LPL(中国) | 4 | 第4シードがプレイイン出場 |
LCK(韓国) | 4 | 第4シードがプレイイン出場 |
LEC(ヨーロッパ) | 3 | 全チームスイスステージ進出 |
LCS(北米) | 3 | 全チームスイスステージ進出 |
PCS(東南アジア) | 2 | スイスステージ進出 |
VCS(ベトナム) | 1 | スイスステージ進出 |
V. スケジュールと開催地
ステージ | 日程 | 開催都市 |
---|---|---|
プレイイン | 10月14日〜 | 北京 |
スイスステージ | 10月下旬 | 北京 |
準々決勝・準決勝 | 11月上旬 | 上海メルセデス・ベンツアリーナ |
決勝戦 | 11月9日 | 成都 |
VI. Worlds 2025 注目ポイント
1. 初の「Play-Inショーダウン」採用
2025年のリーグ・オブ・レジェンド世界選手権は、LCKとLPLの第4シードによるBo5直接対決で開幕する。
従来の多チームによるプレイインステージを廃止し、開幕からトップ地域同士の激突が実現。
その一戦が大会全体の流れを決定づける。
2. Fearless Draftがシリーズ戦の構図を一新
同一シリーズ内で同じチャンピオンを再使用できない新ルールにより、
チームはより広いチャンピオンプールと柔軟な対応力が求められる。
コーチ陣の戦略設計と選手の即応力がこれまで以上に勝敗を左右する。
3. 競技バランスを高めたスイスステージ
5ラウンド制のスイスステージは維持されるが、昇格戦と敗退戦はBo3形式に統一。
これにより単発の運要素が減り、実力と安定性がより正確に反映されるようになった。
2024年大会で指摘されたBo1の不確実性を改善する狙いがある。
4. 中国3都市でのマルチシティ開催
今大会は北京、上海、成都の3都市で実施される。
Worlds史上最大規模の運営体制となり、ライブ観戦・配信演出の両面で前例のないスケールが予定されている。
5. 戦略性と持久力が新たな勝負軸に
日程はよりタイトになり、シリーズごとの準備量も増加。
チームは短時間で情報整理・メタ対応・戦術修正を行う必要がある。
2025年のWorldsは、単なるメカニクスではなく、長期的な計画性と試合中の適応力が試される大会となる。
VII. まとめ
2025年のリーグ・オブ・レジェンド世界選手権では、初めて「Play-Inショーダウン制度」が導入された。
LCKとLPLの第4シードが直接対決する形式となり、従来の複数チームによる入れ替え戦グループを置き換えることで、試合はより集約的かつ緊張感の高い開幕となった。
同時に導入されたFearless Draftは、ピックやテンポコントロールに新たな駆け引きを生み出している。
変化を素早く読み取り、メタの流れを先取りできるチームが、この新しい競技時代をリードしていくだろう。