韓国・済州島で開催されたTriton Pokerスーパー・ハイローラーシリーズで歴史的瞬間が生まれた。岩手県盛岡出身のプロポーカープレイヤー、小原順(Jun Obara)が$40,000ミステリーバウンティで優勝し、日本人として初めてTritonのタイトルを手にした。さらに決勝テーブルでは驚異の17個のバウンティを手に入れ、一躍大会の主役となった。
日本人初のTritonタイトル
オンラインでは「misawa」の名で知られる小原は、今大会序盤の$5,000 Bounty Quattroで準優勝していたが、この日はついに栄冠をつかんだ。優勝賞金$699,000に加え、ミステリーバウンティから$1,040,000を獲得し、総額$1,700,000超を持ち帰った。これにより、日本勢のTritonでの9年間にわたる無冠時代に終止符を打った。
優勝直後、小原はTritonメディアに対し「Every time lucky. Lucky only!」と謙虚に語った。
レン・リンとの劇的な対決
決勝で最も印象的だった一局は、ニューヨークを拠点とする中国系プレイヤー、レン「Tony」リンとの勝負だった。リンはA♠K♦を手に205,000でオールイン。小原は4,690,000の大スタックを背景に10♥9♥で即座にコールした。
ディーラーが配ったフロップは6♠8♠7♣。小原はナッツストレートを完成させ、リンはほぼ絶望的な状況に追い込まれた。リンは頭を抱え、テーブル周囲からは驚きの声が上がった。マルティン・カブレルの有名なフレーズ「not like that!」が響く場面もあった。
リンに残された希望はランナーランナーのスペードのみ。しかしターンにA♥が出て勝負あり。リバーQ♦を見届けたリンは、小原と拳を合わせ、笑顔でテーブルを後にした。305,000のポットと1つのバウンティは小原の手に渡った。
記録的な17個のバウンティ
最終的に小原は17個のミステリーバウンティを獲得。Triton史に残る快挙を成し遂げた。卓越したプレーとともに、彼の謙虚な姿勢は観客やファンの心をつかんだ。
済州シリーズはさらに熱気
済州のLanding Casinoでは$50,000 Triton Bounty Quattroが開幕しており、小原が再び出場する可能性も高い。また、$150,000 NLH 8-Handedは2日目を迎え、ジェイソン・クーン、アレックス・フォックスン、そして年間ポイントランキング首位のアルトゥール・マルティロシアンら、世界トップクラスのプレイヤーが激闘を繰り広げている。優勝賞金は$4,107,000に設定されており、今大会最大の注目タイトルとなっている。
小原の歴史的勝利によって、今回の済州シリーズはTritonの歴史の中でも特別な節目となった。