「幻のフラッシュ」で天国から地獄へ!WSOP Paradiseで起きた裁定トラブルが波紋を呼ぶ

WSOP Paradise スーパーメインイベントにて、James CaputoとRyan Depauloの間で発生した300万ドルの巨大ポットを巡る論争の現場。大量のチップとマックされたカードが写っている。

バハマで開催中のWSOP Paradiseスーパーメインイベント(Super Main Event)で、またしても不可解な騒動が勃発しました。Day 2bの最中、あるプレイヤーの「勘違い」とディーラーの迅速な処理が重なり、本来ならば巨大なポットを獲得していたはずのハンドが強制的にマック(Muck)されるという悲劇が発生。

この一連の騒動により、人気ポーカーVloggerであるRyan Depauloが九死に一生を得てビッグポットを獲得する一方、当事者のJames Caputoは怒りを爆発させる事態となりました。

複雑なマルチウェイ・オールインが生んだ悲劇

問題のハンドはブラインド25,000/50,000のレベル15で発生しました。まずAndre Moreiraが100,000にオープンレイズし、Ryan Depauloがこれをコール。続いてJames Caputoが200,000へ3ベットを行いました。

Moreiraがコールした後、Depauloは1,175,000のチップをすべて中央に押し出しオールイン。Caputoはこれにコールし、Depauloとの勝負を受けます。しかしアクションはここで終わりませんでした。Moreiraがさらに上から3,000,000点を超えるオールインを被せ、アイソレート(Isolate)を狙ったのです。

ここでCaputoは、トーナメントライフを賭けてMoreiraの巨大なレイズを受けるかどうかの決断を迫られることになりました。

コミュニケーションミスによる「強制マック」

Moreiraのアイソレート・オールイン直後、現場は混乱に包まれました。Depauloが後に公開した自身の視点映像によると、Caputoはベッティングアクションを正確に把握できていなかったようです。彼は「Depauloとのオールイン勝負には乗るが、Moreiraとは戦っていない」といった旨の発言をし、自身の手札である A♦ 5♦ を表向きに公開(Tabled)してしまいました。

この動作と言動を受け、ディーラーはCaputoがMoreiraの300万点の要求に対して「フォールド」を選択したと判断。即座に彼の手札をマック(回収)し、無効化してしまったのです。

これによりCaputoのハンドはデッド(死に牌)となり、ショーダウンは以下の2名のみで行われることになりました。

  • Ryan Depaulo: K♣ K♠
  • Andre Moreira: J♠ J♣

激昂するプレイヤーとフロアの裁定

自分のハンドが回収されたことに気づいたCaputoは「降りるなんて言っていない!」と猛抗議。同卓していたハイステークスプロのMartin ZamaniもCaputoを擁護し、「彼はフォールドと宣言していないし、コールしないとも言っていない」と主張しました。

一方、Depauloはこれに真っ向から反論。「Zamaniの言うことは偏っているから聞くな」とフロアに訴えかけました。Depauloの主張によれば、カードがマックされる直前にフロアがCaputoへ意図を確認した際、Caputoは「Yes(降りる)」と答えていたといいます。

激しい口論とFワードが飛び交う中、フロアマネージャーが下した最終判断は「Caputoのハンドはデッド(無効)」というものでした。CaputoはDepauloとの勝負に投じた1,175,000点を放棄させられ、フロップを見る権利さえ奪われてしまいました。

ボードには無情にもダイヤが並ぶ

Caputoにとって本当の悪夢はここからでした。ディーラーが開いたボードには、なんと3枚のダイヤが含まれていたのです。

もしCaputoの A♦ 5♦ が生きていれば、彼はフラッシュを完成させ、DepauloのKKとMoreiraのJJを粉砕して超特大ポットを独占していたはずでした。

結果として、DepauloのKKがJJに勝ち切り、彼が漁夫の利を得る形で大量のチップを獲得。スタックを約70BBまで増やすことに成功しました。一方、Moreiraは約20BBまで転落。

やり場のない怒りに震えるCaputoは、罵声を上げながら手元の5万ドル相当の現金束をテーブルに叩きつけました。不運な形でビッグポットを逃したCaputoですが、それでも約60BBのスタックを残して生存しています。なお、Caputoは前日にもプリフロップのレイズ額ミスでDavid Benyamineにダブルアップを献上しており、2日連続で不名誉なトラブルの中心人物となってしまいました。