「Poker Brat（ポーカーの悪童）」として知られる Phil Hellmuth（フィル・ヘルミュース） が再び注目を集めている。61歳のポーカーホール・オブ・フェイマーであり、1989年世界チャンピオンの彼は、現金ゲームでの実力を疑う批評者に向け、直接対決を提案した。条件はシンプルだ。双方がそれぞれ50万ドルを拠出し、合計100万ドルをテーブルに賭けて対決するというものだ。
50万ドルの対戦提案
HellmuthはSNSで「批評者と私はそれぞれ50万ドルを出し、同額で対戦する。舞台は批評者が『私が負けている』と言うテレビ放映の現金ゲームだ」と投稿した。
彼は2013年から2019年にかけて放送された現金ゲームで「24戦中23勝」と強調。また2014年以降、現金ゲームで300万ドルの利益を得ていると主張し、「税務記録で証明できる」とも述べた。
BetRivers CasinoのアンバサダーでもあるHellmuthは、自身の新番組《Hellmuth’s Home Game》についても言及。YouTubeとCBS Sports Networkで放送されており、25/50ドルのブラインドで6回プレーした結果、11万ドルのプラス収支だと明かした。
「White Magic」スタイルを巡る議論
Hellmuthは「White Magic」と呼ばれる直感重視のスタイルで知られ、トーナメントでは数々の成果を挙げてきた。しかし、GTO（ゲーム理論最適解）戦略を駆使する若手ハイステークスプレーヤーが台頭する中、そのスタイルはたびたび批判の的となっている。
ポーカーコーチで解説者のMarc Goone氏は最近の動画で「Hellmuthのプレーは臆病すぎる。このリークは今日のゲームでは致命的だ。2/5ドルや5/10ドルで伸び悩むプレーヤーが毎日のようにいるが、Hellmuthには同じ傾向が見られる」と辛辣に批評した。
名乗りを上げた挑戦者たち
Hellmuthの挑戦表明は瞬く間に反響を呼んだ。ヴェネチアン・ポーカー・ライブのプライベートゲームを主宰するBrian Okin氏は、通常はプロを参加させないが「Hellmuthなら例外」とコメント。
さらにOssi「Monarch」Ketola氏も名乗りを上げた。Ketola氏は今年、Dan「Jungleman」Catesとのヘッズアップで1,500万ドルを失ったばかりだが、WSOPブレスレット記録保持者との対戦に意欲を示した。
トーナメントでの実績は揺るがず
現金ゲームの評価は割れるものの、トーナメントでのHellmuthの実績に異論は少ない。データベース「The Hendon Mob」によると、生涯獲得賞金は3,000万ドルを超え、WSOPブレスレットは歴代最多の17本。2位のPhil Ivey（11本）を大きく引き離している。
いま注目されるのは、この「トーナメントの王者」が現金ゲームでも自らの強さを証明し、新世代のGTOプレーヤーに対抗できるのかどうか。正式に挑戦を受ける者が現れれば、その答えは近いうちに明らかになるだろう。
