テキサス北部のポーカーコミュニティが再び大きな勝利を収めた。ダラス市の調整委員会(Board of Adjustment, BOA)は、Champions Social Clubがダラス拠点でポーカーゲームを開催することを正式に承認。4対1の投票結果となり、長年続いた法廷闘争の終結に道を開き、地域ポーカー界にとっても大きな前進となった。
Champions Social Club が営業許可を獲得
Champions Social Clubは、テキサス州ヒューストンですでに成功を収めており、伝説的ポーカープロのフィル・ヘルミュースも共同経営者の一人だ。2021年にダラスの有名ステーキハウス「III Forks」の旧址を取得し、約1,500万ドルを投じて改装。会員制とシートフィーを組み合わせたビジネスモデルでポーカールームを展開する計画だった。これは、テキサスの厳しい反ギャンブル法制の中で認められている「非レイク制」の運営方式である。
しかしダラス市は一貫して厳しい姿勢を取り続け、地元住民の一部からも反対の声が上がった。学校や教会の近くにポーカールームができれば治安や交通の悪化につながると懸念する意見がある一方、ポーカー愛好者や支持者は健全な娯楽の場としての価値を訴えた。
最終的にBOAは4対1で承認を下し、クラブ代表のアイザック・トランボは「公平に扱われたことに満足している」と述べた。
反対票を投じたのはマイケル・ホプコビッツ委員であり、彼は「テキサスではポーカーは依然として違法」との見解を示した。
Texas Card HouseとChampions、連続の法的勝利
今回の承認は、テキサス最高裁判所が先週、Texas Card House(TCH)に関する市側の上訴を棄却した直後に下されたものだ。この決定により、3年にわたるC.O.(営業許可証)をめぐる法廷闘争は終結し、TCHの営業の正当性が確立された。
Championsも同様に過去数年間、営業許可証の反復的な取り消しに悩まされてきた。2021年の初申請は却下され、2024年10月に一度は承認されたが、わずか6日後に市当局が撤回。このたびのBOAの決定でようやく状況は大きく転換した。
TCHとChampionsが立て続けに成果を得たことは、ダラス地域のポーカー環境が徐々に変化している兆候と受け止められている。
テキサスポーカーの法律的グレーゾーン
テキサス州刑法第47.04条では「私的空間で行われる」「全参加者に平等な勝利機会がある」「ゲームから経済的利益を得る者がいない」場合に限りギャンブルは合法とされる。ポーカークラブはレイクを取らず、会費や座席料のみで運営されるため、合法と主張する。しかし市当局や一部の住民は「実質的には違法行為」と見なしており、この点が長年議論の的となっている。
2024年5月にはプロポーカープレイヤーのダグ・ポークがダラス郊外ファーマーズ・ブランチに巨大なポーカールームを開設しようと試みたが、市議会は住民の反発を受け、計画を否決した。一方、オースティンやヒューストンなど、他都市では比較的受け入れられており、テキサス各地でポーカー産業は拡大傾向にある。
Championsの今後の展開
今回の承認でポーカー営業の道が開かれたものの、クラブが実際にテーブルを稼働するまでには追加条件を満たす必要がある。その一つに、施設北側入口を閉鎖する壁の建設が含まれている。トランボ代表は正式なオープン時期については未定とした。
一方でヒューストン拠点では、10月1日から13日にかけて「Fall Poker Open 秋季ポーカーオープン」が開催予定であり、賞金総額100万ドル保証のチャンピオンシップイベントがメインを飾る。
相次ぐ法的勝利により、テキサスポーカーコミュニティはダラスにおける環境改善への期待を一層強めている。