チェコの雄、再び主役の座へ
ヨーロッパのポーカーファンにとって、マルティン・カブレル(Martin Kabrhel)ほど注目を集めるプレイヤーはいないだろう。現在、チェコ・ロズヴァドフのキングス・リゾートで開催中のWSOPヨーロッパ・メインイベントで、彼が再び話題の中心に立っている。
わずか1週間前、カブレルは€10,000 Pot-Limit Omaha Mystery Bountyで自身5本目のブレスレットを獲得したばかり。今度はキャリア最大のタイトルと€1,140,000のトップ賞金を目指し、チップリーダーとしてDay 4に臨んでいる。
史上屈指のヨーロッパプレイヤーへ
もしカブレルがこのメインイベントで優勝すれば、通算6本目のブレスレットとなり、ヨーロッパ出身プレイヤーの中でも歴史的な存在となる。現在、6本以上のブレスレットを持つヨーロッパ人はベニー・グレイサー(Benny Glaser)のみで、彼は8本のタイトルを誇る。カブレルが勝てば、エイドリアン・マテオス(Adrian Mateos)やマックス・ペスカトーリ(Max Pescatori)など、4本保持のトッププロたちを大きく引き離すことになる。
順位 | プレイヤー | 国籍 | ブレスレット数 |
---|---|---|---|
1 | ベニー・グレイサー | イギリス | 8 |
2 | マルティン・カブレル | チェコ | 5 |
3 | エイドリアン・マテオス | スペイン | 4 |
3 | クラース・ゼーゲブレヒト | オーストリア | 4 |
3 | ドミニク・ニーチェ | ドイツ | 4 |
3 | ジョージ・ダンツァー | ドイツ | 4 |
3 | ジョアン・ヴィエイラ | ポルトガル | 4 |
3 | ジュリアン・マルティニ | フランス | 4 |
3 | マックス・ペスカトーリ | イタリア | 4 |
出典:WSOP.com
Day 3で主導権を握る
Day 3終了時点で、カブレルは圧倒的なチップ量で首位に立った。この日、彼はほとんどのハンドに参加し、常にアクションの中心にいた。独特の口癖「Not Like That!」「Casino Royale!」がテーブルに響き渡り、会場の雰囲気を盛り上げた。
その背後には、イタリア勢のクラウディオ・ディ・ジャコモ(Claudio Di Giacomo)とルレイ・フー(Lulei Hu)が続き、両者ともに400万点超えで100BB以上を保持していた。
Day 4に入ると、カブレルはさらに勢いを増し、ヴラド・アンドルスカ(Vlad Andrusca)、ヴラツィミル・プスティナ(Vlastimil Pustina)、セルカン・クル(Serkan Kuru)を次々と飛ばし、チップリーダーの座を固めている。
まだ残る強豪たち
現在残っている27人の中には、カブレルを含め4人の元ブレスレット保持者がいる。
その一人、ユーハン・ワン(Yuhan Wang)はわずか1週間前にWSOPヨーロッパ・ミニメインイベントで優勝したばかり。さらに、2019年に2本のブレスレットを獲得したヨナス・ラウク(Jonas Lauck)、そして元プロバスケットボール選手であり、2023年WSOPヨーロッパ・メインイベント王者のマックス・ノイゲバウアー(Max Neugebauer)も健在だ。
ノイゲバウアーは当時817人のフィールドを制し、€1,500,000を獲得している。
現時点ではラウクがこの3人の中で最も好位置につけているが、それでもカブレルとの差は大きい。カブレルは主導権を維持しながら、トーナメントの終盤戦に突入している。
残り27人、賞金と栄誉をかけた戦いが続く中、マルティン・カブレルの存在感はさらに増している。
彼が6本目のブレスレットを手にし、ヨーロッパポーカー史に新たな1ページを刻むのか、注目が集まっている。