トロントのローステークス・キャッシュにレイク高騰の怒り
トロントでは$1/$3のキャッシュゲームに座るコストが、Tim Hortonsの家族分のコーヒー&ドーナツ代を軽く上回ることがある。人口1,400万人超のオンタリオ州では、多くのポーカールームが$1/$3でも1ポット10%、上限$20を課している。卓は相変わらず盛況だが、利益を積み上げたいプレイヤーにとって採算はきわめて厳しい。
トロント出身の熱心なポーカープレイヤー、Kyle Anderson氏は州内のライブレイクの現状を手厳しく評した。「悪いどころか、犯罪的だ」と語り、「ここは本当にひどい。世界のどこに比べても、それがよくわかる」と続けた。
オンタリオはラスベガスとどう違うか
20以上のアクティブなポーカールームを擁するラスベガスでは、ローステークスのレイク上限は一般にもっと低い。Bellagio、Aria、Wynn、Venetianなどの旗艦ルームは、上限が概ね$5〜$6(会場により異なる)。ハイハンドやバッドビートのプロモーション原資として$1〜$3のジャックポット・ドロップを加える会場もあるが、それでもオンタリオの$20上限と比べれば負担は小さい。とはいえ、近年はベガスでもローステークスのレイク上昇に不満の声はある。
世界的な拠点でもライブの受け皿は少ない
Daniel Negreanuの故郷トロントは、Daniel Dvoress、Mike Watson、Mike Leah、Greenwood兄弟ら実力者が集う大規模なプレイヤープールを抱える。それでも、伸び盛りのグラインダーが通える常設のライブ会場はグレーター・トロント圏で実質2軒に限られ、競争も選択肢も乏しいのが実情だ。
TorontoのGreat Canadian Casinoでは$1/$3のレイクが1ポット10%、上限$20。ポーカーのコンプはなく、ドリンクサービスもない。近郊PickeringのPickering Casino Resort(Great Canadian Entertainment運営)も同じく10%・上限$20。Great Canadian傘下のElements Casino Brantfordは上限$15とわずかに低いが、一般的な水準からすれば依然として高い。
「どう転んでも店が勝つ」
Anderson氏は現行の取り分がテーブルにもたらす影響を端的に示す。「1時間におよそ25〜30ハンド進むなら、テーブル全体で時給約$400〜$600が吸い上げられる」と説明。「事実上、勝てないゲームだ。結局は店が勝つようにできている」と言う。
対照例:ケベックのPlayground
地域が変われば様相は違う。ケベック州のPlaygroundは、ローステークスのレイク上限が$8だ。ベガスの多くの会場より高く見えるかもしれないが、Playgroundは歴史的規模のバッドビート・ジャックポットを継続的に実施し、プロモーションを通じて集めた資金の一部をプレイヤーに還元している。
オンタリオで高レイクが続く理由
$20の上限が定着している大きな要因はローカル市場の構造にある。オンタリオはカナダ他州と別枠のオンラインギャンブル制度を採り、GGPokerやPokerStarsといった人気プラットフォームが運営されている。一方でトロント圏のライブ会場は実質2ルームのみ。競争が乏しいため、コストが高くても席は埋まり、ピーク時は満卓が常態だ。
Anderson氏いわく、「1ハンド$20の取り分でもこんなに客が入って、プレイヤーが来続けるなら、やめる理由はないよね。」
やや安価な代替:Casino Niagara
移動をいとわないなら、Niagara FallsのCasino Niagaraが比較的手頃な選択肢だ。ここはポットごとではなく、30分ごと$7のタイムチャージ制。水準としては依然高めだが、勝ち続けられるプレイヤーならトロントより支払いは少なくなることが多い。もっとも、往復におよそ90分のドライブが必要になる。
GTAでプレーするなら選択肢は3つ
- 地元で続けて、1ポット10%・上限$20を受け入れる
- オンラインに主戦場を移す
- 条件の良い会場へ遠征できるとき以外はライブを控える
レイク&フィー早見表
地域/ルーム | 方式 | 上限/レート | 付記 |
---|---|---|---|
Great Canadian Casino (Toronto) | 1ポットごと10% | 上限$20 | ポーカーのコンプなし、ドリンクサービスなし |
Pickering Casino Resort (Pickering) | 1ポットごと10% | 上限$20 | Great Canadian Entertainmentの運営 |
Elements Casino Brantford | 1ポットごと10% | 上限$15 | GTAよりは低いが、国際的に見れば依然高水準 |
Casino Niagara (Niagara Falls) | タイムチャージ | 30分ごと$7 | ポットごとのレイクなし |
Las Vegas low-stakes (e.g., Bellagio, Aria, Wynn, Venetian) | ポットレイク | 上限$5〜$6 | 追加で$1〜$3のジャックポット・ドロップが付くことが多い |
Playground (Quebec) | ポットレイク | ローステークス上限$8 | 大型バッドビートJPの原資に充当し、プロモで還元 |
オンタリオのライブキャッシュは集客だけ見れば活況だが、採算面はローステークスのグラインダーに厳しい。新規参入による競争や料率の見直しがない限り、GTAの$1/$3はしばらく険しい登り坂のままだ。