ポーカー界で女性が存在感を高めた記念碑的イヤー
2025年は、女性プレイヤーにとって歴史的な当たり年として語り継がれそうだ。Shiina OkamotoがWSOP Ladies Eventを2連覇で制し、Leo Margetsが現代ポーカー史で初めてWSOP Main Eventのファイナルテーブルに進出するより数週間も前から、その流れは始まっていた。
口火を切ったのは5月。ベテランのXuan LiuがTriton Pokerで女性初のタイトル獲得という金字塔を打ち立てたのだ。数か月後、彼女は韓国・済州島で初開催のTriton Oneに参戦し、早くも次のトロフィーを狙っている。
Tritonモンテネグロでのブレイクスルー
Liuが歴史を動かしたのは、Triton Montenegroで行われた$25,000 WPT Global Slam。ヘッズアップで同郷の強豪Daniel Dvoressを下し、自身最高額となる$860,000を獲得した。ファイナルテーブルにはDavid Peters(3位)やKristen Foxen(4位)ら精鋭が名を連ねた。
「この優勝は本当に大きかった。Tritonは最も格式あるシリーズだから」とLiu。「世界最高峰の面々を相手にしている感覚が何度もあったし、正直、勝ち切るまでに運も味方してくれた。でも大きな自信になった。トーナメント優勝は久しぶり。今は以前のように本数を打っていないけれど、Tritonで勝ち取れたのは格別だった。」
そして「ほんのひと時だけど、世界の頂に立った気分だった」と付け加えた。
キャリアの中核とビッグスコア
ここ数年は出場数を抑えながらも、Liuの戦績は堂々たるものだ。ライブトーナメントの獲得賞金は$3.3 million。主なハイライトは、2011年EPT Sanremo Main Eventでの3位($524,705)、2012年PCA Main Eventで女性として初のファイナルテーブル入りとなる4位($600,000)、2017年WPT Fallsview Poker Classic優勝($232,114)、そして2025年のTriton/WPT $25K WPT Global Slam優勝($860,000)など。
「当時はたくさんトーナメントを回っていた頃の成績。でも今はポーカーが生活の柱ではあるものの、実際にプレーする回数は多くない。自分に合う場を選び抜ける余裕が生まれた分、(モンテネグロで)勝ち切れた意味はさらに大きい」と語る。
Selected Career Highlights
Year | Tour/Series | Event | Result | Prize |
---|---|---|---|---|
2011 | EPT | Sanremo Main Event | 3rd | $524,705 |
2012 | PCA | Main Event | 4th | $600,000 |
2017 | WPT | Fallsview Poker Classic | Winner | $232,114 |
2025 | Triton/WPT | $25K WPT Global Slam (Montenegro) | Winner | $860,000 |
スタイルを再構築し続ける
フルタイムのトーナメントグラインダーという生活は、Liuにとって過去のものになりつつある。現在は主戦場をキャッシュゲームに移し、High Stakes Pokerのようなテレビゲームにも出演。「自分のキャリアを広げ、どこまで行けるか試している」と言う。ポッドキャストで自身の物語を発信し、MIT Sloan Sports Analytics ConferenceではNate Silver、Jen Shahade、Alexandra Botezらと登壇するなど活動は多岐にわたる。
「もっと積極的に表に出ようとしているの。私にはとてもユニークな物語があると思うし、正直に言えば、ポーカーの世界で成長していく過程で、私のような存在をもっとロールモデルとして見られたらよかったと思う。」
「今の自分があるのはポーカーのおかげ。私の軌跡はとてもユニークで、自分の道を切り開き、常に自分をアップデートし続けてきたと感じている。」
初のTriton One参戦、済州へ
中国生まれのLiuはアジアでのプレー経験はあるものの、済州での参戦は今回が初めてだ。「アジアでのプレーはいつも大好き。正直、カジノの室温が極寒ということも少ないし、食事も自分の好みに合うの」と笑う。
掲載時点で、彼女は$3,000 Triton One GenesisのDay1Cに向けて調整中。残り236人中66位のスタックで臨む構えだ。
「私は“盛り上がっている場所”に行く主義。今は……Triton Oneね。素晴らしいストップだと思う」とLiu。「このシリーズが今後も幅広い層に門戸を広げていくなら、私も継続して足を運ぶつもり。」