ポーカー界でよく見かける不思議な光景：今の高額卓のプロプレイヤーたちは、数百万ドルの大金を手に入れても、大きなタイトルを獲っても、ほとんど喜びを爆発させない。感情のないロボットだから？ いや、そんな単純じゃない。2025年に絶好調のセス・デイヴィスが、バルセロナのEPTで投稿した動画で本音を明かしたんだけど、これがトーナメントポーカーの過酷な現実を物語ってる。
セス・デイヴィスの本音
デイヴィスにとって2025年はまさに飛躍の年。WSOPの25万ドル・スーパーハイローラーで初のブレスレットを獲得、賞金は475万2551ドル。五月のトリトン・モンテネグロでは600万ドルを稼ぎ、初のトリトンタイトルもゲット。年間獲得額はすでに1200万ドル超えで、Hendon Mobの歴代賞金ランキングで16位に躍り出た。そんな彼がXの動画で語ったのは、勝利時の控えめな反応の理由だ。
「ハイステークスのプレイヤーはロボットだって言われるけど、それは違う。トーナメントポーカーは基本的に負け続き——何十万ドルを何度も溶かすんだよ。ようやく深く進んで勝ち切ったとき、ようやく損失を埋めて余りが出る。」とデイヴィス。「勘違いしないで。負けを何千時間も耐え抜くと、いろんな感情が湧く。でも勝った瞬間の最大の感情は、意外にも喜びじゃない。カメラに映るのは相手への共感と敬意さ。だって自分もキャリアのほとんどで負け役なんだから。」彼の今回のEPT旅行も、五つのイベントに複数バイインして、すでに35万ユーロの赤字。この経験が、勝っても派手に喜ばないマナーを生むんだそうだ。
デイヴィスにとって、この冷静さはポーズじゃなく、ポーカーの厳しい世界で培われた自然な態度なんだ。
ゲームの魅力に悪影響？
デイヴィス自身も、感情を抑えるのはポーカーの人気にマイナスかもと認めてる。「感情を出さないのはゲームにとって良くないかもね。ファンはドラマやライバル関係、リアクションを求めてるよ。でもハイステークスのトーナメントプロは、Xのクリップのために何千時間も練習してるんじゃない。ゲームをリスペクトして、トロフィーを狙ってる。競争が息づかいなんだ。大抵はエンターテイナーじゃなく、プロさ。」
この発言がきっかけで、ダン・“ジャングルマン”・ケイツやダニエル・ネグラヌみたいな大物たちが反応。プロフェッショナリズムとエンタメのバランスについて議論が熱くなった。
大物たちの意見
史上最大級のキャッシュゲームで1500万ドルを勝ち取ったばかりのケイツは、両立可能だと反論。「プロでいながらエンターテイナーにもなれる。エンタメの価値を無視するのは近視眼的で、むしろプロ失格だよ。」
ポーカー文化の論客ネグラヌは、感情がトップ競技の原動力だと強調。「あらゆるメジャースポーツやゲームは、エリートたちの感情表現で盛り上がる。」ステークスの違いも指摘：「ロー・ステークスではもっとプロらしく振る舞うべき——おばあちゃんが破産したら、隣で喜ぶなよ。アマチュアにとっては本物の金だ。ただの仕事じゃない。でもハイ・ステークスは弱肉強食さ。相手がビッグポットを獲って喜ぶのを嫌うなら、慣れろ。」
ネグラヌはスポーツの例を挙げて説明：「大事なのは本物であること。タイガー・ウッズのガッツポーズ、マイケル・ジョーダンのブザービーター後の興奮を想像してみ？ 相手に同情して無表情？ マグヌス・カールセンがチェスで負けてテーブル叩かないなんてありえない。あの瞬間が人を引きつけるんだ。WSOPメインのファイナルテーブルは、選手と観客の熱気が魅力さ。リバーで拳を握りたくなるなら、それでいい。不敬じゃないよ。」
ポーカーの感情史とこれから
ネグラヌは2000年代のTVポーカーブームでスターになった時代を思い出す。あの頃のトッププロは、プレイヤーであると同時に個性派エンターテイナー。トニーGがTV中継でラルフ・ペリーを倒したあと「on your bike」って煽ったシーンとか、2023年WSOPの2.5万ドルヘッズアップ準決勝でダグ・ポークがリバーで逆転して大喜びした瞬間——感情がポーカーの醍醐味だった。
とはいえ、デイヴィスが言うように状況次第。優勝が決まる瞬間は自然に感情が出るけど、五人残りのコインフリップみたいな場面では控えめが普通。この「本物 vs. プロ」論争は、現代ポーカーのジレンマを象徴してる。スターとファンのつながりをどう作るか？ 将来、ハイステークスはもっとバランスよく、激しくて見てて楽しいものになるかもね。
